
【この記事の監修:司法書士國松偉公子】
相談窓口は法務局・地方法務局(本局)に設けられており、事前予約制で1回30分の無料相談を受けることができます。
ただし、この30分を有効に使えるかどうかは、事前準備の質で大きく左右されるのが実情です。
本記事では、法務局への相談で押さえるべきポイントから、司法書士や行政書士といった専門家に相談するメリット、そして相談前に確認しておきたい要件や費用まで、相続土地国庫帰属制度の「相談」にまつわる実務的な情報を詳しくお伝えします。
法務局での相談の仕組みと予約方法

相続土地国庫帰属制度に関する相談は、全国の法務局・地方法務局の本局で受け付けています。
ここで注意したいのは、支局や出張所では対応していないという点です。普段の登記手続きでは最寄りの支局を利用している方も、国庫帰属制度の相談については本局まで足を運ぶ必要があります。
相談の方法は、対面・電話・Web会議(ウェブ相談)の3つから選べます。
土地の写真や測量図を見せながら具体的なやり取りができる対面相談が最も情報量は多くなりますが、遠方にお住まいの場合は電話やウェブ相談も活用できるでしょう。
相談先は「土地の所在地」が原則
相談を受け付けるのは、承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局本局の不動産登記部門(相続土地国庫帰属審査室)です。
たとえば東京都国分寺市にお住まいの方が北海道の土地について相談したい場合、原則としては札幌法務局が相談先となります。ただし、土地が遠方にある場合は例外的にお近くの法務局本局でも相談に応じてもらえる運用がなされています。
まずは東京法務局で概要を確認し、具体的な申請段階で土地所在地の法務局に改めて相談するという進め方も実務上は可能です。
予約の取り方と当日の注意点
予約は「法務局手続案内予約サービス」というオンラインシステム、または電話で受け付けています。1人1日1件、30分の枠を取得する形になります。当日は予約時間の厳守が求められ、10分以上の遅刻はキャンセル扱いになる点に注意が必要です。
また、30分の延長は一切認められないため、聞きたいことを事前に整理しておかないと、肝心な質問ができないまま時間切れになりかねません。
相談前に必ず準備すべき3つの資料

法務局の相談は「用意いただいた資料の範囲で対応する」という原則で運用されています。手ぶらで訪れても一般的な制度説明しか受けられず、自分の土地が要件を満たすかどうかの具体的な判断は得られません。
相続土地国庫帰属相談票
法務省のWebサイトからExcelまたはPDFの様式をダウンロードし、事前に記入して持参します。土地の所在地番、地目、面積、取得の経緯(相続か遺贈か)、現在の利用状況などを記載する書類です。
チェックシート(相談したい土地の状況について)
建物の有無、境界の状況、担保権の設定状況、土壌汚染の可能性など、却下・不承認要件に該当しないかを自己点検するための書類です。
正直に記入することが大切で、ここで事実と異なる記載をしても、審査の段階で現地調査が入るため隠し通すことは不可能でしょう。
土地の状況がわかる資料・写真
登記事項証明書(登記簿謄本)、法務局備付の地図や公図、地積測量図、固定資産税の納税通知書、そして土地の全景がわかる写真など、手元にあるものはすべて持参するのが理想的です。
特に境界に関する資料は重要度が高く、法務省の統計(令和8年1月31日時点)でも「境界が明らかでない土地」は却下理由の上位を占めています。
境界標の有無や、隣接地の所有者との間で境界に関する合意がなされているかどうかを把握しておくと、相談の密度が格段に上がります。
法務局相談だけでは足りない場面がある

法務局での相談は制度の利用可否を確認するうえで欠かせないステップですが、いくつかの限界も存在します。
まず、法務局の職員は「質問された事項」に対して回答する立場であり、申請者側が気づいていない問題点を積極的に指摘してくれるとは限りません。
次に、30分という時間制約の中で、複数の土地について相談したい場合や、境界問題と建物解体の両方を確認したい場合は、十分な回答を得られないまま終わるケースもあるでしょう。
さらに、法務局は申請書の作成を代行する立場にはないため、書類の不備を指摘してもらえたとしても、修正や作成は自分で行う必要があります。
司法書士・行政書士・土地家屋調査士に相談するメリット

法務局への相談と並行して、あるいは法務局に行く前の段階で、専門家への相談を検討する価値は大いにあります。
相続土地国庫帰属制度の承認申請書は、原則として土地所有者本人が作成する必要がありますが、書類の「作成」については弁護士・司法書士・行政書士に依頼できると法律で定められています。
代理申請こそ認められていないものの、書類作成の段階で専門家の知見を借りることで、却下や不承認のリスクを大幅に下げられます。
では、どの専門家に相談すればよいのでしょうか。制度の性質を考えると、相続登記、境界確認、行政手続きという3つの専門領域が交差するため、複数の資格者に別々に相談しなければならないケースが出てきます。
相続登記は未了でも申請は可能ですが、相続関係の書類は揃えておく必要があり、境界が不明確であれば土地家屋調査士に測量を依頼しなければなりません。申請書類の作成は行政書士の業務範囲でもあります。
国松司法書士法人は、司法書士・行政書士・土地家屋調査士のトリプルライセンスを保有しており、相続登記から境界確認、申請書類の作成支援までをワンストップで対応できる体制を整えています。
複数の事務所を渡り歩く手間や、専門家同士の情報伝達ロスを避けたい方にとっては、大きな利点になるはずです。
相談前に自分で確認しておきたい4つのポイント

法務局や専門家への相談を最大限に活用するためには、事前のセルフチェックが欠かせません。
相続人であることを証する書面は揃っているか
相続登記が完了している場合は不要ですが、未了の場合は相続人であることを証する書面を揃える必要があります。
土地の上に建物や工作物は残っていないか
建物が残っている土地は申請の段階で却下されるため、事前に解体して更地にしておく必要があります。
解体費用の見積もりを取っておけば、相談時に総コストの判断材料となるでしょう。
境界は明確か
お隣との境界線が確定していない場合、測量と境界確認の手続きが先行して必要です。
土地家屋調査士への依頼費用も含めて検討しなければなりません。
費用を支払う準備はあるか
申請時の審査手数料(1筆あたり14,000円、不承認でも返還されない)に加え、承認後には10年分の管理費相当額である負担金(原則20万円、土地の種類や面積に応じて変動)の納付が求められます。
相談から申請、承認までの全体像

相談から国庫帰属完了までの流れを把握しておくことで、各段階で何を準備し、誰に相談すべきかが明確になります。
最初のステップは法務局への事前相談で、制度利用の見込みがあるかどうかを確認する段階です。
ここで大きな問題がなければ、承認申請書と添付書類を作成して法務局本局に提出します。
申請が受理されると、法務局による書類審査と現地調査が行われます。標準処理期間は約8か月とされていますが、実地調査の日程調整や土地の状況によっては、それ以上かかることも珍しくありません。
審査の結果、法務大臣が承認の判断を下すと、申請者に負担金の納付通知が届きます。
通知到達から30日以内に日本銀行(代理店・歳入代理店を含む)に負担金を納付すると、その時点で土地の所有権が国に移転し、手続きが完了します。
注意すべきは、30日の納付期限を過ぎると承認自体が失効するという点です。
再度申請するには最初からやり直しとなり、審査手数料も改めて必要になるため、承認通知が届いたら速やかに納付手続きを進めましょう。
不要な土地の相談は国松司法書士法人へ
「相続した土地を国に返したいが、そもそも自分の土地が要件を満たすのかわからない」「法務局に相談する前に、相続登記や境界確認も含めて全体の段取りを整理したい」といったお悩みをお持ちの方は、相続・遺言の相談と手続きの実績27年目、累計20,000件超の国松司法書士法人にご相談ください。
当事務所は、司法書士・行政書士・土地家屋調査士の3つの国家資格を保有しており、相続登記の完了から境界の確認・測量、国庫帰属制度の申請書類作成までを一つの窓口で完結できます。
「まず何から手をつければよいのか」という段階からのご相談も歓迎しております。
初回相談は無料です。国分寺市・国立市・府中市・小平市・小金井市など多摩エリアの方はもちろん、全国からのご相談も大歓迎です。
【この記事の監修:司法書士國松偉公子】
プロフィールはこちらに掲載されています。事務所概要 – 国松司法書士法人【国分寺駅南口2分】
この記事の監修者
国松司法書士法人(クニマツシホウショシホウジン)
行政書士国松偉公子事務所
オールフォーワン土地家屋調査士事務所
代表者
國松 偉公子(簡易裁判所代理権あり)
兵庫県神戸市生まれ。神戸高校、大阪大学卒業後上京。民間企業勤務を経て司法書士資格を取得。平成12年に東京都国分寺市内で司法書士国松偉公子事務所を開業。国分寺市を中心とした東京多摩地域で、開業当初から相続に力を入れ、遺言・成年後見・家族信託という相続周りの業務含め26年間で2万件を超える相談、手続実績を重ねた。その間、ワンストップサービス実現を目指し、行政書士資格、土地家屋調査士資格を取得し、事務所を併設、合わせて司法書士事務所を法人化。ハウスメーカー、金融機関、会計事務所、不動産会社等との強固な信頼関係を築きながら、エンドユーザーである個人顧客の遺言作成支援や家族信託の組成等の生前対策に力を入れている。共著に「相続手続きと生前対策ハンドブック」「相続の基本と最新対策がわかる本」(いずれも株式会社アックスコンサルティング 出版局)「地主のための相続対策」(幻冬舎)がある。
資格
司法書士(東京司法書士会所属)、土地家屋調査士(東京土地家屋調査士会所属)
行政書士(東京都行政書士会所属)、民事信託士(一般社団法人民事信託推進センター)
成年後見人名簿・成年後見監督人名簿登載(家庭裁判所)
相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザー協議会)
財産管理マスター(一般社団法人日本財産管理協会)
一般社団法人家族信託普及協会会員
国分寺市政治倫理審査会元委員
国分寺市財産価格審議会委員
- 初回のご相談は無料です
- 出張可(成約時は出張料無料)
- ご質問・ご相談お待ちしています。
- 042-300-0255
- いますぐ電話する
- お電話は[月-土]9:00〜18:00までの受付となります。
上記以外の時間帯は大変に申し訳ございませんが「ご相談フォーム」よりご連絡をお願い致します。 - ご相談フォーム
当事務所のサービス
国松司法書士法人では、行政書士・土地家屋調査士事務所を併設し、不動産登記・会社法人登記・許認可・相続・遺言・成年後見・家族信託などのお悩みにワンストップで寄り添います。
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- 不動産登記
- 司法書士と土地家屋調査士のダブルライセンスで、土地と建物は登記記録を作るところから所有権の登記、抵当権抹消登記などをストレスなくスムーズに、ワンストップで実現します!
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- 建設業許可・各種許認可
- 行政書士のライセンスもあり、建設業(入札参加資格申請含む)、宅建業、旅行業、産業廃棄物処理業等の許認可申請に対応しています。
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- 相続~27年目の実績は信頼から
- 相続の手続きはとても面倒です!司法書士に依頼することで気持ちが断然軽くなります!戸籍謄本を集めて法定相続情報を取得、遺産分割協議、相続登記、預金解約などがとてもスムーズです。
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- 遺言~27年目の実績をあなたに
- お客さまの想いをベストな表現で!生前対策として最も有効なのが遺言書の作成です。法的有効性はもちろんのこと、作っておいて良かった!と言える遺言書本文、付言事項をご提案します。
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- 家族信託・民事信託
- ご家族の想い、ご本人の想いをしっかりと受け止めるために「クニマツの家族信託」はお客さまに寄り添った丁寧な面談を行い、財産管理、財産承継のお悩みを解決へと導きます。
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また、登記申請については日本全国の不動産、法人の申請をお受けできます。


















