
【この記事の監修:司法書士國松偉公子】
贈与者(あげる人)が準備する書類

登記済権利証または登記識別情報通知
不動産の所有者であることを証明する書類で、贈与登記において最も重要な添付書類の一つです。
2005年の不動産登記法改正以前に登記を受けた方は「登記済権利証」(いわゆる権利証)、改正以降に登記を受けた方は「登記識別情報通知」という12桁の英数字が記載された書面を保有しているはずです。
権利証・登記識別情報は再発行ができないため、紛失している場合は代替手段を講じる必要があります。具体的には、司法書士が贈与者と面談して作成する「本人確認情報」を添付するか、法務局の「事前通知制度」を利用する方法が代表的です。事前通知制度は費用がかからない反面、法務局から届いた通知に贈与者が法務局が発送してから2週間以内に回答しなければ申請が却下されるリスクがあるため、実務上は本人確認情報の作成を選ぶケースが多いでしょう。
印鑑証明書
贈与者の実印の印影を証明する書類で、市区町村役場またはコンビニ交付(マイナンバーカード利用)で取得できます。取得費用は1通300円程度で、発行から3か月以内のものでなければ法務局に受け付けてもらえません。
贈与契約書への押印と登記申請書への押印は、印鑑証明書に登録されている実印で行う必要があります。認印では登記が通らないため、実印の登録がまだ済んでいない場合は、印鑑登録の手続きから始めなければなりません。
固定資産評価証明書(または納税通知書の課税明細書)
登録免許税の計算に必要な書類です。市区町村役場(東京23区は都税事務所)で取得でき、費用は1通300円~400円程度となっています。
毎年4月~5月に届く固定資産税の納税通知書に「課税明細書」が同封されていれば、そちらを代用することも可能です。ただし、年度が替わると評価額が変わる場合があるため、申請時点の最新年度のものを使用してください。
実務上のポイントとして、固定資産評価証明書に記載されている評価額と、登記簿上の地積が異なるケースが稀にあります。地積更正登記が未了の場合などに起こりうる問題で、放置すると登録免許税の計算に影響するため、事前に登記簿と突き合わせて確認しておくと安心です。
受贈者(もらう人)が準備する書類

住民票の写し
受贈者の現住所を証明する書類で、市区町村役場またはコンビニ交付(マイナンバーカード利用)で取得できます。費用は1通300円程度です。
本籍地やマイナンバーの記載は不要で、世帯全員分ではなく受贈者本人分のみで足ります。住民票に記載された住所がそのまま登記簿上の所有者住所として登録されるため、引っ越し直後で住民票の異動が済んでいない場合は、先に転入届を出してから住民票を取得してください。
受贈者側の書類は住民票のみであり、印鑑証明書は不要です。印鑑も認印で問題ありません。
双方で作成する書類

贈与契約書
贈与の当事者間の合意を書面化した契約書で、贈与登記の根拠資料となります。
記載すべき事項は、贈与者と受贈者の氏名・住所、贈与の対象となる不動産の表示(登記簿どおりの所在・地番・地目・地積・家屋番号・構造・床面積)、贈与の日付、そして双方の署名・押印(贈与者は実印)です。
不動産の表示は、住所ではなく登記簿上の「所在」と「地番」で記載する点が重要です。「東京都国分寺市南町3丁目22番地」ではなく、登記事項証明書に記載されている正確な地番を転記してください。マンションの場合は、一棟の建物の表示と専有部分の表示(家屋番号・床面積)も正確に記載する必要があります。
贈与契約書には200円の収入印紙を貼付します。不動産の贈与契約書は「不動産の譲渡に関する契約書」には該当しないため、印紙税は金額にかかわらず一律200円です。
登記原因証明情報
登記の原因となった事実関係を法務局に報告するための書面です。贈与契約書とは別に「報告形式」で作成するのが一般的ですが、贈与契約書に登記原因証明情報の要素(「上記の贈与により所有権が移転した」旨の記載)を盛り込み、一体の書面とすることも認められています。
実務では、贈与契約書と登記原因証明情報を別々に作成するケースが多く見受けられます。贈与契約書は当事者間の合意文書として手元に保管し、登記原因証明情報は法務局に提出する(原本還付を受けない)という使い分けが合理的でしょう。
登記申請書
法務局に提出する申請書本体で、所定の事項を記載してA4用紙に作成します。法務局のWebサイトから贈与用の様式と記載例をダウンロードできるため、初めて作成する方はひな型を参考にするとよいでしょう。
登記申請書に記載する主な事項は、登記の目的(「所有権移転」)、原因(「令和○年○月○日贈与」)、権利者(受贈者の住所・氏名)、義務者(贈与者の住所・氏名)、添付情報の一覧、登録免許税額、そして不動産の表示です。
委任状(司法書士に依頼する場合)
贈与登記を司法書士に依頼する場合は、贈与者と受贈者の双方から委任状を受領します。委任状には実印(贈与者)または認印(受贈者)の押印が必要です。
書類を集める際に見落としやすい3つのポイント

贈与者の住所が登記簿と異なる場合
贈与者が引っ越しているにもかかわらず、登記簿上の住所が旧住所のままになっているケースは非常に多く見受けられます。住所が不一致のまま贈与登記を申請すると、法務局から補正を求められるため、事前に「登記名義人住所変更登記」を申請して住所を最新の状態に揃えておく必要があります。
住所変更登記は1筆あたり1,000円の登録免許税で済みますが、登記名義人の住所が複数回変わっている場合は、変遷を証明する住民票の除票や戸籍の附票を取り寄せなければならず、意外と手間がかかることがあるでしょう。
不動産が複数の筆にまたがる場合
一つの土地に見えても、登記簿上は2筆以上に分かれていることがあります。たとえば、自宅の敷地が「公衆用道路」と「宅地」の2筆に分かれているケースは珍しくありません。2筆とも贈与するのであれば、すべての筆について登記申請が必要になり、登録免許税も筆ごとに計算されます。
登記事項証明書を取得して筆数を確認し、固定資産評価証明書もすべての筆分を取り寄せておきましょう。
農地の贈与には農業委員会の許可が必要
地目が「田」または「畑」の農地を贈与する場合は、贈与登記の前に農業委員会の許可を得なければなりません(農地法第3条)。許可を受けずに行った贈与は無効となり、登記も受け付けてもらえないため、農地が含まれる場合は手続きの順序に十分注意が必要です。
ただし、市街化区域内の農地については、農業委員会への届出で足りる場合もあります。
贈与登記にかかる費用の全体像

必要書類の収集費用に加えて、贈与登記には以下の費用が発生します。
登録免許税は固定資産税評価額の2%で、相続登記の0.4%と比べて5倍の税率です。たとえば評価額2,000万円の土地であれば40万円と高額になるため、事前に評価額を確認しておくことが不可欠でしょう。
司法書士に依頼する場合の報酬は5万円~10万円程度が相場です。贈与契約書の作成や書類収集の代行まで含めたパッケージ料金を設定している事務所もあります。
さらに、贈与を受けた翌年には贈与税の申告・納付が必要になり、不動産取得税(土地・住宅は評価額の3%、宅地は課税標準が2分の1に軽減)も課されます。登記の費用だけでなく、税金を含めたトータルコストを把握しておくことが大切です。
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初回相談は無料です。国分寺市・国立市・府中市・小平市・小金井市など多摩エリアの方はもちろん、全国からのご相談も大歓迎です。
【この記事の監修:司法書士國松偉公子】
プロフィールはこちらに掲載されています。事務所概要 – 国松司法書士法人【国分寺駅南口2分】
この記事の監修者
国松司法書士法人(クニマツシホウショシホウジン)
行政書士国松偉公子事務所
オールフォーワン土地家屋調査士事務所
代表者
國松 偉公子(簡易裁判所代理権あり)
兵庫県神戸市生まれ。神戸高校、大阪大学卒業後上京。民間企業勤務を経て司法書士資格を取得。平成12年に東京都国分寺市内で司法書士国松偉公子事務所を開業。国分寺市を中心とした東京多摩地域で、開業当初から相続に力を入れ、遺言・成年後見・家族信託という相続周りの業務含め26年間で2万件を超える相談、手続実績を重ねた。その間、ワンストップサービス実現を目指し、行政書士資格、土地家屋調査士資格を取得し、事務所を併設、合わせて司法書士事務所を法人化。ハウスメーカー、金融機関、会計事務所、不動産会社等との強固な信頼関係を築きながら、エンドユーザーである個人顧客の遺言作成支援や家族信託の組成等の生前対策に力を入れている。共著に「相続手続きと生前対策ハンドブック」「相続の基本と最新対策がわかる本」(いずれも株式会社アックスコンサルティング 出版局)「地主のための相続対策」(幻冬舎)がある。
資格
司法書士(東京司法書士会所属)、土地家屋調査士(東京土地家屋調査士会所属)
行政書士(東京都行政書士会所属)、民事信託士(一般社団法人民事信託推進センター)
成年後見人名簿・成年後見監督人名簿登載(家庭裁判所)
相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザー協議会)
財産管理マスター(一般社団法人日本財産管理協会)
一般社団法人家族信託普及協会会員
国分寺市政治倫理審査会元委員
国分寺市財産価格審議会委員
- 初回のご相談は無料です
- 出張可(成約時は出張料無料)
- ご質問・ご相談お待ちしています。
- 042-300-0255
- いますぐ電話する
- お電話は[月-土]9:00〜18:00までの受付となります。
上記以外の時間帯は大変に申し訳ございませんが「ご相談フォーム」よりご連絡をお願い致します。 - ご相談フォーム
当事務所のサービス
国松司法書士法人では、行政書士・土地家屋調査士事務所を併設し、不動産登記・会社法人登記・許認可・相続・遺言・成年後見・家族信託などのお悩みにワンストップで寄り添います。
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