遺言執行者になる覚悟
2011.12.10
遺言の作成をお手伝いすることがしばしばあります。
さまざまな要望(遺言の内容をこうしたい、というもの)をおうかがいし、その内容を文章にしていきますが、最後にこの遺言をいったい誰が実現するのか、という壁にぶち当たることがあります。
当方は常々財産をメインでもらう方(相続する方、遺贈を受ける方)になっていただくようにしていますが、財産をもらう方が第三者であったり、親族が存在しないといった場合、遺言執行者の成り手がいない、という事態に陥ることがあります。
そんな時、当方に遺言執行者になってもらえないだろうか、とのお声がかかります。
ご本人が亡くなって、いざ執行する段階になると、法定相続人に連絡を取らなければならないのですが、これがうまくいくのだろうかとか、法定相続人に遺言執行を妨害されるのではないかとか、いろんなことを心配し、想定して、なおかつ「できる!」と判断しなければ当方はお受けしないスタンスを取っています。安請け合いは禁物なのです。
気軽に遺言が書ける時代にはなりましたが、書くご本人はきっと自分の死後、希望通りになっているだろうと思い描くのでしょう。しかし、実際には遺留分の減殺などで遺言内容が一部実現できないこともあります。
遺言の付言事項でいままで誰にも言えなかったことを書く方もいらっしゃいます。当方としては淡々と遺言執行をしていきますが、覚悟のいる仕事であることはまちがいありません。
遺産分割について
2011.12.03
相続が起きた際、当事務所へ相続人が相談されるケースというのは、数年前までは不動産の名義変更のためというのが主な目的でありました。
しかし、今は相談の態様も様々で、金額も少額で財産の種類もそう多くない相続から、金額が数億円単位で、財産の種類もバラエティに富む相続まで、本当に多種多様になってきています。
中には、どのように遺産分割するのがよいか、アドバイスを求められる場合もありますし、実際、遺産分割協議案を作成し、相続人の皆様にご提案するケースもあります。
単純に誰が何を欲しい、というところから検討に入ることもありますが、民法の規定にあるべく、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して検討していきます。
その中で、生前贈与があったか、誰がどの程度ご本人の療養看護、財産維持管理に寄与したかということも視野に入れていきます。
税理士の先生や信託銀行の作成した、出来上がった遺産分割協議書を見るにつけ、ご本人の生きざま、ご本人を含む相続人や家族間の人間ドラマ、思想というものが滲みでているものなのだと痛感することもあります。
当事務所としては、相続人全員が納得のいく遺産分割のご提案を目指していきたいと思います。
遺言作成の心構え
2011.11.26
政府税制調査会(首相の諮問機関)は、消費増税と社会保障の一体改革にあわせ、収入や資産の多い人を対象として、所得税や相続税を増税する検討に入りました。2013年度以降の実施をめざしているようですが、以前から巷間ささやかれてきた「相続税の増税」が少しずつ現実味を帯びてきたようです。
遺言を遺す者からすれば、どんな遺言を書くと誰にどのくらいの相続税がかかるのかは比較的興味のあることかもしれません。
また、残された相続人からすれば、自分はいくら相続税を支払わなければならないのか、心配になるかもしれません。
いま、相続税制が変化する過渡期にあるため、一体自分にかかわる相続税は増税前なのか、後なのか、遺言を遺す者からも、相続人からも気になるところです。
ただ、ここで一つ言いたいことがあります。
どんな財産を誰にどのくらい相続してもらいたいか、相続税のことはまず置いておいて、遺言を書く者がその意思をはっきりさせることが重要であると思うのです。
もめないために遺言を書きましょうという人がいますが、特に遺留分がある相続人がいる場合は、遺言を書いてももめる時はもめるし、遺言を書いたことでかえって逆効果になる場合もあるものです。
相続税のことを最初に気にしていては遺言は書けません。えいや!と自分の思う通りに一度文案を考えてみてはいかがでしょうか?なぜその内容になるのか、説明が必要なら、「付言事項」として最後に付け加えておきましょう。










